紅葉宿の沿革
本ページに記す沿革は、紅葉宿の物語として綴られたものでございます。
紅葉宿のはじまり
嵯峨野の山あいに、小さな宿として始まりました。 風間家により代々受け継がれてまいりました、客に詩と季節を差し出す家業でございます。 創業の年については、明治の頃とだけお伝えしております。 古い建物のことを語りすぎるよりも、いま在ることをそのままご覧いただきたく存じます。
女三代の女将
紅葉宿の女将は、風間家の女が継いでまいりました。 三代の名前は、いずれも植物に通じております。
風間 紫 (Murasaki) — 現大女将
紫式部、藤の花。源氏物語を愛し、それを次代へ継いだ人でございます。
風間 椿 (Tsubaki) — 楓の母 (故人)
冬に咲く椿。先代女将。数年前に他界いたしました。中庭の椿は彼女が嫁いだ折に植えたものでございます。
風間 楓 (Kaede) — 現女将
秋の楓。紅葉の最盛期に生まれました。祖母の療養に伴い、若女将として宿に立っております。
中庭の椿

中庭には、二代目女将 椿が嫁いだ折に植えた一本の椿がございます。 毎年、冬の終わりに咲きます。形見であり、宿の象徴でもございます。 楓は冬になると、よくその椿の前で時間を過ごしております。
源氏物語との縁
大女将 紫から、楓へ。世代を越えて受け継がれてきた国文学への愛がございます。 源氏物語の嵐山・嵯峨野は、紅葉宿にとって物語の根でございます。 客のうちには、源氏物語のフィールドワークでこの宿に逗留される海外の文学研究者もございます。
紅葉宿の四季
- 春桜と桜餅。新しい季節を客と分かち合う日々。
- 夏浴衣、川床、風鈴。過ぎゆく時間の音色。
- 秋紅葉、月見、紅葉柄の訪問着。宿が最も輝く季節。
- 冬雪見風呂、椿、火鉢、振袖。母を思う季節。